研究実績の概要 |
本研究の目的は,スポーツ外傷により筋機能が低下した症例に対して,音刺激(聴覚情報)によるフィードバックを用いて筋活動の賦活を促し,動作習得の促進を試みる新たなリハビリテーション手法を確立することである. 令和2年度は,本データの収集に取り組み,本研究課題の根幹となるテーマをデータから明らかにすることを到達目標に設定した.新型コロナウイルスの影響により、予定していた課題および被験者の変更を余儀なくされ、研究の遂行に苦慮した.特定の運動課題において、音刺激が筋活動を賦活することは明らかにすることができたが、本研究の最終目標である「足関節捻挫受傷者に対して音刺激フィードバックを用いて筋活動を賦活すること」の科学的エビデンスについては、今後さらに追加のデータ収集が必要である. 研究成果のアウトプットとしては,「慢性足関節不安定症を有する大学生アスリートにおける片脚つま先立ち中の重心動揺および筋活動の特徴」(日本アスレティックトレーニング学会誌,6巻, 1号, p43-48)、「疲労課題が慢性足関節不安定症に対する Side hop test中の足関節バイオメカニクスに及ぼす影響」(日本アスレティックトレーニング学会誌,6巻, 1号, p33-41)の2編の論文を投稿し掲載された.さらに,現在は国際誌への論文1編を投稿準備中である。 本研究課題は,研究データを着実にアウトプットできたが、新型コロナウイルスの影響により最終目標の到達には至らなかった。引き続き、今後の研究で不足分を明らかにする予定である。
|