研究課題/領域番号 |
16K16564
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
棗 寿喜 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 博士研究員 (90761841)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 血流制限 / 電気刺激 / 筋肥大 / 筋力 / パンプアップ / 筋疲労 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、筋肥大を引き起こすために重要である筋のパンプアップ現象と筋疲労を最も引き起こす血流制限圧を検討することであった。 運動習慣のない成人男性6名を対象とした。対象者の大腿基部にカフを装着し,内科後方にある後頸骨動脈上に脈波計を貼付した状態で筋電気刺激を大腿部前面に実施した。血流制限は、阻血に至る血流制限圧を100%とした際に、血流が30%、40%、50%、60%制限される条件を無作為に実施した。次の血流制限条件を実施するまでには1週間の期間を空けた。血流制限圧の違いがパンプアップ現象に与える影響を評価するために、血流制限を実施する前後に超音波診断装置を使用して大腿部前面の筋厚を計測した。また、血流制限圧の違いが筋疲労に与える影響を評価するために、血流制限を実施する前後に筋機能測定装置を使用して膝伸展筋力を計測した。さらに血流制限による痛みや主観的運動強度の指標としてCR10およびRPEを血流制限後に記録した。 血流制限後に生じた大腿部前面の筋厚の変化は、40%および50%の制限圧で他の条件と比較して高値を示した。血流制限後の膝伸展筋力は、50%および60%の制限圧で他の条件と比較して高値を示した。RPEおよびCR10は、血流制限圧が低くなればなるほど低値を示した。 以上のことから、50%の血流制限圧は筋電気刺激と組み合わせた際に他の条件と比較して筋のパンプアップ現象と筋疲労を同時に導くことが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の研究目的は、血流制限圧の違いがパンプアップ現象と筋疲労に及ぼす影響を明らかにすることであった。研究の結果、筋肥大に重要とされるパンプアップと筋疲労を効果的に導く血流制限の条件を明らかにすることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで申請者らは、筋電気刺激と血流制限を併用することで、発揮筋力が5分ほどの短時間で著しく低下し、筋疲労が生じていることを観察している(未発表データ)。従って、5分間のトレーニングで、これまで実施していた20分間(5分×4セット)のトレーニングと同程度のトレーニング効果を得ることができるかもしれない。従って、1年目と2年目の研究から得られたエビデンスに基づき、最も至適と思われる筋電気刺激と血流制限の条件を組み合わせたトレーニングをおこない、効率がよいトレーニング時間を明らかにする。
|