研究課題/領域番号 |
16K16567
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
佐賀 典生 帝京大学, スポーツ医科学センター, 助教 (80572586)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 筋痛 / 筋損傷 / 自律神経活動 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
本年度における申請研究は、ホメオスタシスの維持に貢献している自律神経活動との関わりに着目して、冷却/温熱処置を用いた筋損傷・筋痛時の温冷浴および交代浴処置が、筋損傷および筋痛のマーカーに与える影響とともに、自律神経活動および酸化ストレス応答を明らかにすることで、コンディショニング方法の確立とその効果のメカニズムを明らかにするという特色を持つ。 本年度は、前年度の研究に対して追加実験を行った。その結果、上肢への処置において、交代浴による処置は、皮膚温・深部温を維持するが、交感・副交感神経両方の活動が高まる可能性が示唆された。 また、本年度は、予定している研究の予備実験として、1名に対してアームカールを用いて上腕二頭筋の伸張性収縮を行い、筋痛を誘発させた。その後にその後45度にて20分間の温浴処置を行った。その結果、酸化ストレスマーカーである大きな変化が認められていなかったが、抗酸化ストレスマーカーBAPの値が低値を示した。また、自律神経活動は、処置直後に交感神経活動が低下し、副交感神経活動は増加し、処置30分後では、処置前に戻る傾向にはあったが、処置直後と同じ傾向であった。 本年度では他の条件を行っていないが、運動による筋損傷・筋痛にともない、酸化・抗酸化ストレスおよび自律神経活動が変化する可能性を確認することができた。最終年度では条件を変え、被験者数を増やし、効果的な処置を明らかにしていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究(ⅱ)として、筋損傷・筋痛の自律神経活動を明らかにすることを目的として研究を進める予定であったが、予備研究のみに終わっているため。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度では、研究(ⅰ)にて明らかにした交感神経活動が変化した処置および副交感神経活動が変化した処置を基にして次の研究を行う。研究(ⅰ)では、上肢への処置において、交代浴による処置は、皮膚温・深部温を維持するが、交感・副交感神経両方の活動が高まる可能性が示唆された。そこで、最終年度は、研究ⅱおよびⅲを同時に行い、筋損傷・筋痛の自律神経活動を明らかにするとともに、運動後の筋損傷・筋痛時に自律神経活動に影響を与えた交代浴の処置を行うことで、効果的なコンディショニング方法の効果とそのメカニズムを明らかにするために、以下の実験を行う。 健康な一般成人20名程度を、①処置なし条件、②交代浴条件に分ける。各被験者は、筋損傷・筋痛を誘導するため、上腕屈筋群に対する最大伸張性運動を(角速度30deg/secにて10回×3sets)を行う。そして被験者は、最大伸張性運動の前および後1,3,7日後に、自律神経活動、 主観的筋痛の程度、 上腕周径囲、 肘関節可動域、最大等尺性筋力、酸化ストレスマーカーの測定を受け、処置条件による筋損傷・筋痛に対する影響を観察する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の機器を選定していたため。 本年度、購入申請し、研究を遂行するため、消耗品を購入する予定である。
|