研究課題
平成28年度は、近赤外線時間分解分光(NIRTRS)法を用いて褐色脂肪組織密度の増減の評価が可能であるか検証を行った。褐色脂肪組織密度の増減の検証には、カプシノイドを用いた。カプシノイドは唐辛子の辛み成分であるカプサイシンの辛みを1/1000にした機能性食品であり摂取が容易であるとともに、動物で褐色脂肪組織を活性化することがよく知られている。20名を対象に、8週間のカプシエイト類群あるいはプラセボ群摂取および8週間の摂取中止実験に参加してもらい、2週間毎に、NIRTRS法による褐色脂肪組織密度の評価を行った。その結果、褐色脂肪組織の46.4%の増加(P < 0.01)および摂取中止後の12.5%の減少傾向(P = 0.07)を確認することができた。同様の結果は、茶カテキン摂取でも確認している。これらのことからNIRTRSが従来のFDG-PET/CT法の代替え法として非侵襲的に褐色脂肪組織密度の増減を評価できることが示唆された。本研究成果は国際誌であるJournal of Biomedical OpticsおよびSpringerPlusに掲載されている。
2: おおむね順調に進展している
1)カプシノイドを用いて褐色脂肪組織密度が8週間で46.4%増加することを証明した。2)継続的な茶カテキン摂取により褐色脂肪組織密度が増加することを証明した。3) 1)、2)よりNIRTRS方を用いることで褐色脂肪組織密度の増減を評価することができることが確認できた。本研究結果については、学術雑誌に掲載されている。来年度以降もNIRTRS法を用いて研究を進めることを予定する。
成人300名を対象に、横断研究により褐色脂肪組織が活性化・増量する生活習慣の探索を行う。褐色脂肪組織密度の評価には、NIRTRS法を用いる。その他、採血、体組成、運動調査票(IPAQ)、運動種目、運動強度、運動する時間、食事(BDHQ)などなどの調査を行う。
現在、進めている横断研究の解析を2017年度に見送ることととした。研究の進行に支障はない。
横断研究の解析費用に充てる。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Journal of Biomedical Optics
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