近赤外線分光法を用いて、ヒト褐色脂肪組織(BAT)密度の評価法の考案および妥当性の検証をした。横断研究により、BAT密度が年齢、体脂肪や内臓脂肪、外気温と関連すること、数週間の機能性食品摂取の介入試験により、BAT密度が増加することを報告した。 動物実験では、高脂肪食摂取による高中性脂肪や高コレステロール血症を、高強度・短時間間欠的な運動により抑制することができた。さらに肩甲骨間のBATの脱共役タンパク質1のタンパク発現の増加量の効果量は大であった。近年、BAT由来の液性因子が他組織とクロストークする可能性が報告されてきている。今後は、BATと脂質代謝との関連について詳細な検討が必要である。
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