本研究では,危険行動の防止に向けて,規範意識の育成を重視した授業を構想し,前後比較研究デザインによってその効果を検討した。授業は,2017年12月に,公立高校2年生40名を対象として実施した。その結果,タイプ3エラーを避けるために実施したプロセス評価について,高い割合で肯定的回答が得られた。インパクト評価については,学校における規範意識の尺度得点が授業後に有意(p<0.05)に高く変化した。また,授業前後における規範意識についてテキストマイニングを用いて質的に検討した結果,規範意識の捉え方に深まりがみられた。構想した授業は,危険行動に関わる規範意識の向上において一定の有効性があると考えられた。
|