本研究では,ITを用いて,時間的,経済的,心身の負担を最小限に,自分自身への気づきを得ながら心の健康を自己管理する力を高め得るプログラムを策定し,その効果を明らかにした. 本プログラムは,これまでの研究により心身の健康への有効性が明らかにされている交流分析,認知行動療法の理論に基づくと同時に,携帯情報端末を導入することにより,主観的指標と客観的指標,両方の観点からセルフモニタリングが可能であった. 以上より,国際的にも対応が急務とされる心の健康に関して,スマートフォンやスマートウォッチをはじめとしたIT機器を効果的に用いたメンタルヘルスの改善・予防プログラム構築の有用性が示されたといえよう.
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