研究課題
若手研究(B)
本研究では,健常者を対象に「日常性ストレスに伴う生体適応反応と回復過程の定量評価に基づき心の健康状態を把握」することを目的とした.日常性ストレスは情報と情動のストレス因子を対象とし,各種心理学的検査と生理学的検査として脳波,心電図,脈波,生体試料検査を実施した.結果,より情動や認知処理を要する状況は生理学的機能に作用し,健常者においても心理状態の不安定化に伴い生理学的機能に差が生じることが確認された.
生体医工学
主観的な心理学的評価法や医師による問診の他に,生理学的機能に伴う客観的な評価手法を加えることにより,心身状態を多角的,且つ精密に把握することが可能になると考えられる.また,極度のストレスや疲労を抱えた対象だけではなく,明確な症状を発する前の健常者を含めて,継続的な心の健康状態の把握や予防として有効的な手法になることが期待される.