研究実績の概要 |
最近は、企業が従業員の健康問題への支出を単なるコストではなく人的資本への投資と捉え、健康と生産性の両方をマネジメントする経営手法、いわゆる“健康経営”が注目されている。この健康経営の視点で今後の労働衛生を考える立場から、労働者のメンタルヘルスは新たな課題として挙げられている。仕事による悩み、ストレスを感じている労働者の割合は約6割を占め、働いている人の半数を上回っている。少子高齢化に伴う労働人口減少の問題に直面している日本では、労働者が健康で豊かな職生活を送るための新たな取り込みが求められている。そこで本研究では、環境変化等の精神的なストレスに耐える能力と定義される「首尾一貫感覚(Sense of Cherence, SOC)」に注目した。これまでにSOCが低い者は、運動習慣や食生活の乱れが多く、肥満の傾向があることが報告されているが、SOC向上に有効なアプローチ法やその効果に関しては研究の進展が必要である。 本研究では、これまでの先行研究に基づき、労働者の健康な生活習慣(運動習慣、食生活の改善)はSOC向上に繋がるのではないかと仮説を立て、介入研究を行った。
|