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2016 年度 実施状況報告書

多点観測に基づく全身持久力と生活習慣病発症リスク:全身持久力を高く保つことの意義

研究課題

研究課題/領域番号 16K16591
研究機関東北大学

研究代表者

門間 陽樹  東北大学, 医工学研究科, 助教 (90633488)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード体力 / 全身持久力 / 心肺体力 / 疫学 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 経時変化 / 健康づくりのための身体活動基準2013
研究実績の概要

本研究は、生活習慣病の発症リスクに対する全身持久力の経時変化の影響を検討するため、多点観測による全身持久力の保持レベルと糖尿病、脂質異常症および高血圧の発症リスクをコホート研究によって明らかにすることを目的としている。
平成28年度は研究デザインの構築と糖尿病をアウトカムにしたコホート研究を実施した。主な成果は2つある。一つは、糖尿病の予防に対して全身持久力を高く保ち続けることが大事なのか、それとも一時的にでも高くなれば予防効果は得られるのかについて検討を行った。その結果、全身持久力を高く保てていなかった群に対して、全身持久力を高く保てていた群の糖尿病罹患に対するハザード比は35%低い値を示した。一方、一時的な全身持久力の増加を示す指標と糖尿病罹患率の間には有意な関連は認められなかった。
もう一つの成果は、健康づくりのための身体活動基準2013によって定められている全身持久力の基準値を長期間達成することで、糖尿病リスクは抑えられることを明らかにしたことである。全身持久力の基準値を一定期間のなかで達成していた群比べ、達成していなかった群の糖尿病罹患に対するハザード比は33%高い値であった。
これらの研究成果は、運動指導の際に提示される全身持久力を達成することの意義を客観的に提示するものであり、保健指導等で運動指導を実施する機会が多い我が国では、現場で利用できる情報を提供することができるため、社会的意義が大きいと考えられる。また、これまで糖尿病に対する一時点の全身持久力の影響しか検討できていなかったが、本研究の結果により、長期的に全身持久力を高く保つことが重要であるという学術的に新規性のある知見を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は糖尿病をアウトカムとした研究計画を立案しており、現在、投稿論文として2本投稿中である。したがって、進捗状況としては概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、高血圧をアウトカムとしたコホート研究を計画している。糖尿病の場合と同様に、全身持久力の多点観測の利点を有効利用し、高血圧の予防に対して全身持久力を高く保つことが有効であるかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

当初平成28年度に購入予定であった解析ソフト(約50万円)の購入について、現在所持している解析ソフトで対応可能であったため、購入を見送った。そのため、次年度使用繰り越し額が生じた。

次年度使用額の使用計画

解析ソフト購入については、計画通りの解析を実施する場合は見送る予定である。しかしながら計画の進捗状況次第では必要性が生じる可能性もあるため、研究計画全体を通して慎重に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 長期的な全身持久力の基準値の達成と高血圧発症リスクとの関連:コホート研究2017

    • 著者名/発表者名
      門間陽樹、澤田亨、丸藤祐子、宮地元彦、福中康志、岡本隆史、塚本浩二、黄聡、永富良一
    • 学会等名
      第27回日本疫学会学術総会
    • 発表場所
      山梨県甲府市(ベルクラシック甲府)
    • 年月日
      2017-01-26 – 2017-01-27
  • [学会発表] 長期的な全身持久力の維持と糖尿病発症リスクとの関連:コホート研究 ~全身持久力基準値の妥当性の観点から~2016

    • 著者名/発表者名
      門間陽樹、澤田亨、丸藤祐子、川上諒子、宮地元彦、寺田新、絹川千尋、岡本隆史、塚本浩二、黄聡、永富良一
    • 学会等名
      第19回日本運動疫学会学術総会
    • 発表場所
      東京都西東京市(早稲田大学 東伏見キャンパス)
    • 年月日
      2016-06-18 – 2016-06-19
  • [学会発表] Higher cardiorespiratory fitness during a given period and lower incidence of type 2 diabetes2016

    • 著者名/発表者名
      Haruki Momma, Susumu S. Sawada, I-Min Lee, Yuko Gando, Motohiko Miyachi, Ryoko Kawakami, Chihiro Kinugawa, Takashi Okamoto, Koji Tsukamoto, Cong Huang, Ryoichi Nagatomi, Steven N. Blair FACSM
    • 学会等名
      American College of Sports Medicine Annual Meeting 2016
    • 発表場所
      Boston, USA (Hynes Convention Center)
    • 年月日
      2016-05-31 – 2016-06-04
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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