• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

多点観測に基づく全身持久力と生活習慣病発症リスク:全身持久力を高く保つことの意義

研究課題

研究課題/領域番号 16K16591
研究機関東北大学

研究代表者

門間 陽樹  東北大学, 医学系研究科, 講師 (90633488)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード体力 / 生活習慣病 / 観察研究 / 追跡研究 / コホート研究 / パネルデータ
研究実績の概要

平成30年度は、平成29年度に引き続き、高血圧をアウトカムにした研究を実施した。追跡開始時点およびそれ以前に全身持久力を測定した高血圧ではない男性6653人を23年間追跡して、厚生労働省が「健康づくりのための身体活動基準2013」で設定している全身持久力の基準の達成回数によって、高血圧の発症リスクが異なるか検討した。その結果、追跡開始時に基準を達成していたグループは、達成していなかったグループと比較して、21%ほど高血圧の発症リスクが低い値を示し。さらに、追跡開始以前の6年間における基準達成回数(測定は年に1回、測定回数の範囲は0回~7回)を算出し、高血圧の発症リスクを比較した。その結果、基準の達成回数が多くなればなるほど、高血圧の発症リスクは低い値を示した。さらに、基準を達成した回数が3回以上になると、高血圧の発症リスクに明確な違いが認められ、0回と比較して1~2回では高血圧発症リスクに差は認められないという結果を得た。したがって、本研究の結果より、「健康づくりのための身体活動基準2013」で定められている全身持久力の基準を継続的に達成する(具体的には6年間で3回程度達成する)ことが高血圧の予防につながる可能性が明らかになった。
高血圧の総患者数は2014年時点で1010万人を超え、高血圧は国民病であると言われている。昔と比べると、高血圧の治療や管理はうまくいっていると言えるが、依然として服薬など患者に負担がかかる場合も多く、高血圧による社会的負担もいまだに大きいことに変わりはない。したがって、高血圧を予防することが重要なポイントとなる。高血圧の予防には、ランニング等の運動によって全身持久力を高く保つことが有効であるとされており、本研究の結果は、「どの程度の全身持久力を、どのくらいの期間、高く保つ必要があるのか」という疑問に答えるものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Frequency of achieving a 'fit' cardiorespiratory fitness level and hypertension: a cohort study.2019

    • 著者名/発表者名
      Momma H, Sawada SS, Sloan RA, Gando Y, Kawakami R, Miyachi M, Fukunaka Y, Okamoto T, Tsukamoto K, Nagatomi R, Blair SN.
    • 雑誌名

      J Hypertens

      巻: 37 ページ: 820-826

    • DOI

      10.1097/HJH.0000000000001935.

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 体力疫学の今とこれから2018

    • 著者名/発表者名
      門間陽樹
    • 学会等名
      第21回日本運動疫学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 体力測定の参加と高血圧発症リスクとの関連:人間ドック受診者を対象とした予備的検討-新潟ウェルネススタディ-2018

    • 著者名/発表者名
      門間陽樹、澤田亨、丸藤祐子、川上諒子、宮地元彦、永富良一、田代稔、加藤公則、曽根博仁
    • 学会等名
      第21回日本運動疫学会学術総会
  • [学会発表] 研究における統計解析の役割~ 「当たり前」を少しだけ丁寧に深く考えてみる ~2018

    • 著者名/発表者名
      門間陽樹
    • 学会等名
      日本運動疫学会主催 第4回 運動と健康:分野横断型勉会
    • 招待講演
  • [学会発表] 脂質異常症の簡便な予測因子としての体力テストの可能性:コホート研究-Niigata Wellness Study-2018

    • 著者名/発表者名
      門間陽樹、澤田亨、丸藤祐子、宮地元彦、永富良一、田代稔、加藤公則、曽根博仁
    • 学会等名
      第59回日本人間ドック学会学術大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi