• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

運動が認知機能を改善させる生理学的機序の解明 -中心動脈機能と脳血流の役割-

研究課題

研究課題/領域番号 16K16594
研究機関筑波大学

研究代表者

赤澤 暢彦  筑波大学, 体育系, 助教 (30713250)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード有酸素性運動 / 動脈伸展性 / 実行機能
研究実績の概要

加齢とともに増加する認知症患者は、我が国では400万人にものぼり、2025年には約700万人にまで達すると推測されている。したがって、加齢に伴う認知機能の低下を抑制し、認知症発症を予防することは非常に重要な課題であると考えられる。これまでに運動は認知機能を向上させることや認知症予防に有効であることが報告されている。しかし、認知機能が改善する機序は十分に明らかにされていない。本研究では、運動による認知機能改善の機序を、認知症発症と関連する動脈伸展性や脳血流動態などの循環機能から検討することを目的とした。
平成28年度は、中高齢者33名を対象に、運動トレーニングを実施する運動群(15名)と普段と変わらない生活を送る対照群(18名)に群分けし、8週間の介入の前後で認知機能と動脈伸展性を検討した。運動群は、自転車運動や歩行運動を中心にした中等強度の有酸素性運動を週に4-6回の頻度で8週間行った。それぞれの8週間の介入期間の前後において、超音波およびトノメトリセンサーを用いた頸動脈コンプライアンスより動脈伸展性を評価し、ストループテストの誤答率と反応時間より実行機能を評価した。8週間の運動トレーニング実施後、運動群の頸動脈コンプライアンスは有意に増大し、ストループテストの誤答率と反応時間の有意な改善が認められた。このことから、有酸素性運動トレーニングは頸動脈の血管機能を改善させ、認知機能を向上させる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は、計画通りに運動トレーニング介入を実施し、運動トレーニングは血管機能を改善させ、認知機能が向上する知見を得られることができた。これらのことから、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、運動トレーニングの前後において、近赤外線分光法(NIRS)や超音波ドップラー法を用いて脳血流動態を評価し、運動によって向上する認知機能や血管機能との関連性を検討し、運動が認知機能を改善させる生理学的機序の解明を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 中高齢者における有酸素性運動能力が脳血流拍動性に及ぼす影響.2017

    • 著者名/発表者名
      赤澤暢彦、熊谷仁、棚橋嵩一郎、小崎恵生、濱崎愛、吉川徹、妙圓園香苗、羅成圭、田川要、松原朋子、崔英珠、前田清司.
    • 学会等名
      第5回NSCA国際カンファレンス
    • 国際学会
  • [学会発表] 中高齢者における有酸素性運動トレーニングが実行機能に及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      西村真琴,崔英珠,赤澤暢彦,棚橋嵩一郎,東本翼,中村優希,前田清司.
    • 学会等名
      第71回日本体力医学会
    • 発表場所
      岩手交流情報センター(岩手県盛岡市)
    • 年月日
      2016-09-23 – 2016-09-25
  • [学会発表] 閉経後女性における骨代謝とAIの関連性-運動トレーニングが及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      澤野友里子,膳法亜沙子,棚橋嵩一郎,小崎恵生,赤澤暢彦,前田清司.
    • 学会等名
      第71回日本体力医学会
    • 発表場所
      岩手交流情報センター(岩手県盛岡市)
    • 年月日
      2016-09-23 – 2016-09-25

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi