加齢に伴う中心動脈伸展性や脳血流の低下は認知症の原因となる。運動は動脈機能向上や知症予防に有効であることが報告されている。本研究では、中高齢者における運動トレーニングが動脈伸展性、脳血流および実行機能に及ぼす影響を検討することを目的とした。中高齢者33名を対象に運動群と対照群に群分けした。8週間の介入前後にて、頸動脈コンプライアンス、脳酸素化ヘモグロビン濃度(oxyHb)、実行機能を評価した。運動群における頸動脈コンプライアンス、oxyHb、実行機能は増加した。これらのことより、中高齢者における運動トレーニングは動脈機能や脳血流を改善して、認知機能を高めている可能性が示された。
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