本課題では、高齢者の呼吸器感染症予防を目的とした身体活動向上プログラムの開発と効果検証を行った。初年度に、活動量基準作成のための観察研究を行った結果、上気道感染症の発生に対する身体活動量(Ex)のカットオフ値は、11.8Mets・時/週であり、予防には中強度以上の活動を増やす必要があることが示された。次に、身体活動向上のための行動変容プログラムを作成し、ランダム化比較試験のデザインを用いて、効果を検証した。介入群では、身体活動が有意に増加し、期間中のインフルエンザの発生割合が有意に低かった。中強度以上の活動を促進する行動変容プログラムにより、高齢者の上気道感染を予防可能であることが示唆された。
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