研究課題
平成30年度は、平成29年度と同様Nox4欠損マウスを用い、特にアンジオテンシンII(Ang II)投与モデルにおける詳細な解析を実施した。NF-E2-related factor 2(Nrf2)は転写因子であることから、細胞質よりも核内における機能が重要となってくる。したがって、骨格筋を細胞質分画と核分画に分離し、各々のライセートを用いてWestern blottingによるタンパク発現解析を行った。その結果、Ang II投与マウスの細胞質分画ではNrf2タンパク発現に違いがなかったものの、核分画ではコントロール群に比較し有意な低下が観られた。さらにNox4欠損マウスでは、その低下が有意に抑制された。またNrf2の下流因子であるヘムオキシゲナーゼ1、チオレドキシンレダクターゼ1およびグルタチオンレダクターゼも同様の結果を示した。これらの結果は、Ang IIマウスの骨格筋では、核内でのNrf2による転写調節障害が観察され、またNox4欠損マウスで改善がみられたことから、Nox4によるNrf2の制御が心不全に伴う筋萎縮において中心的な役割を果たしていることが考えられる。
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