研究課題/領域番号 |
16K16608
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
守田 優子 東京理科大学, 理工学部教養, 助教 (50710068)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 睡眠不足症候群 / 大学生 / アスリート / 至適睡眠時間 |
研究実績の概要 |
体育系部活動に参加する大学生(大学生アスリート群)および対照群となる一般学生に対して質問紙調査を施行し、彼らの睡眠習慣、生活習慣、精神・日中機能等を詳細に調査した。 大学生アスリート308名、一般学生289名を対象とし、各調査項目の群間比較を行ったところ、大学生アスリート群は一般学生群に比して平日の就床時刻・起床時刻ともに有意に早く、睡眠時間も18分長かた。さらに、昼寝習慣のある者が多く認められた。休日も、大学生アスリート群の就床・起床時刻は早かったが、睡眠時間に有意差は認められなかった。 また、SF-8によるPhysical component summary (PCS)・Mental Component Summary (MCS)ともに良好な者を健康度良好者と定義し、群別に健康度を状態変数、平日睡眠時間を検定変数としたROC解析を実施した。アスリート群では、心理的競技能力の良・不良も状態変数として同様のROC解析を実施した。その結果、心身の健康度維持に資する至適睡眠時間は、一般学生群が7.5時間であったのに対して、大学生アスリート群では8.0時間と30分長かった。心理的競技能力を損ねない至適睡眠時間は7.3時間であった。 大学生アスリート群の約80%の者が、8.0時間よりも睡眠時間が短い睡眠不足者であり、約8%の者は、日中に過度の眠気を伴い、休日に長時間睡眠をとる睡眠不足症候群を有している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象であるいくつかの部活動において、部の競技日程の都合によって調査ができなかったため、調査実施を次年度にずらすこととなったが、大学生アスリートの心身の健康度および心理的競技能力の維持に資する至適睡眠時間を明らかにすることができた。現在、未実施の部活動に対して順次追加調査を行うことで、男女間の比較を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査を追加で実施し、計画通りの対象者数を確保することで、大学生アスリートにおける至適睡眠時間の男女差についての検討を加えることを目指している。また、それと同時に、至適睡眠時間未満の睡眠不足の大学生アスリートに対する、睡眠時間延長介入研究の予備実験を行い、本実験実施するうえでのプロトコル精度の向上を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象のいくつかの部活動では、競技日程の都合により、質問紙調査の実施を延期したため、予定額よりもデータ入力費等を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
延期した質問紙調査のデータ入力費として使用する。
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