鉄欠乏状態における酸化ストレス惹起が、どのような生体防御分子群の変動を介して誘導されているのかを明らかにする検討を行った。FAO細胞に鉄キレート剤deferoxamine(DFO)処理をし、DNAマイクロアレイを行った結果、ビタミンD代謝関連酵素、ビタミンC律速酵素やビタミンB12を補酵素とするメチオニン代謝に関わる遺伝子群が有意に減少していることを明らかにした。また、鉄欠乏状態におけるビタミンC律速酵素SMP30/regucalcinの減少は細胞老化を促進することを明らかにした。以上より、鉄欠乏はSMP30の発現低下を介して加齢性疾患を引き起こす可能性が示唆された。
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