研究課題/領域番号 |
16K16613
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研究機関 | 大阪成蹊短期大学 |
研究代表者 |
臼井 達矢 大阪成蹊短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (00638132)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔ケア / 抗菌性ペプチド / 唾液免疫機能 / 虫歯菌 / 運動ストレス |
研究実績の概要 |
本研究では中高齢者に対する口腔ケアおよび肺炎などの感染症予防のための運動基準を確立するために、その運動強度・頻度・種類(陸上・水中)、そしてストレス応答などを口腔内免疫機能(抗菌性ペプチド群)の変化から検討し、運動免疫学の観点から口腔ケアに有効な運動療法プログラムの開発を目指すため下記テーマに取り組んでいる。平成30年度では、前年度取り組んだ研究①(運動習慣のない中高齢者を対象に1年間の運動介入を行い、その運動強度および頻度・種類の違いから口腔ケアに有効な運動基準を確立する)で得られたデータを解析し、論文執筆を行うとともに、研究②として「中高齢者に対する1年間の定期的な運動実践が、ストレス時の口腔内免疫機能の低下を予防できるかどうかを検討し、ストレス・運動・口腔ケアとの関連を明らかにするために、運動習慣のない中高齢者20名を対象に1年間運動を継続してもらい、介入前・6ヵ月後・介入後(12ヵ月後)に運動ストレス負荷テストを行う。さらに運動ストレス負荷に対する抗菌性ペプチドの反応動態を測定するため各ポイントで唾液採取を行う。測定当日は、AM12:00に実験室に入室させ、口腔内のうがいと歯磨きを実施する。その後、30分間安静状態を保ち、PM12:30より、唾液採取を実施する。唾液採取は、コットン法を用いて行い、脱脂綿を1回/秒のペースで1分間咀嚼した後に回収し、滅菌ろ過および遠心分離した後、上清成分を採取し保存する。次にPM1:00より高強度長時間運動(75%VO2max)を1時間実施し、運動前・運動直後・運動終了1時間後・2時間後・6時間後・24時間後の各ポイントにおいて唾液採取を実施する。またコントロールとして同様のプロトコールを安静状態においても実施する。採取した唾液の上清成分から抗菌性ペプチドとストレスホルモンをELISA法で測定す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、前年度に引き続き、口腔ケアに有効な運動基準の確立に向けて、以下の研究を遂行した。①1年間の運動介入で得られた唾液を用いて分析を行う。具体的には①唾液の上清成分から抗菌性ペプチド群としてHuman-β-defensin-2と Cathelicidin濃度の測定、ストレスホルモンとしてcortisol濃度の測定をELISA法で実施した。 上記の唾液分析およびデータ処理が予定通り遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、ストレス時の免疫低下を定期的な運動トレーニングで予防できるか、その運動方法について検討を行う。さらにこれまでの実験で得られたデータを基に、口腔ケアに有効な運動方法を明らかにし、論文執筆を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は唾液分析に必要な物品購入とストレスを測定する機器を購入した。当初予定していたデータ解析用のパソコン及びプリンターは購入できていないので、平成30年度に購入する予定である。
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