これまで唾液免疫機能の指標として免疫グロブリンAが用いられてきたが,口腔ケア(虫歯・歯周病)や肺炎予防の観点から捉えると唾液抗菌性ペプチド群に着目すべきである.しかしながら,唾液抗菌性ペプチド群に着目した研究は少なく,それらを高めるための運動については確立されていない.我々はこれまでに抗菌性ペプチドの低下が虫歯菌の活性化につながることを明らかにしてきた.今回,抗菌性ペプチド群の発現を高める運動として、週1回以上の運動の実践、さらには水中運動やレジスタンス運動などの筋への加重負荷運動が有効であることが示された.本研究は,高齢者に対する筋力トレーニングの必要性を運動免疫学の観点から支持できる.
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