水素水摂取は多様な疾患で病態改善効果を発揮すると知られているが、作用機序は未解明の部分が多い。本研究では、水素の作用機序解明の為、炎症反応と酸化ストレス応答に着目した。水素水飲用後の組織中の水素濃度を計測したところ、肝臓において水素濃度の上昇が見られた。また、リポ多糖による敗血症モデルマウスに敗血症誘導前に水素水を飲用させておいたところ、エンドトキシンショックの症状が緩和し、生存率が改善した。また、肝臓の実質部分において抗酸化酵素ヘムオキシゲナーゼ-1の発現上昇が見られた。これらのことから、水素が作用する細胞は肝臓の実質細胞で、その効果は酸化ストレスへの適応応答によると推察された。
|