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2017 年度 実施状況報告書

在宅重症児の家族は医師にどのようなコミュニケーションを望むか-混合研究法を用いて

研究課題

研究課題/領域番号 16K16623
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

余谷 暢之  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 総合診療部, 医長 (70593127)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード意思決定支援 / 神経疾患 / アドバンス・ケア・プランニング / 思春期
研究実績の概要

当初は患者家族への半構造化面接を予定していたが、患者家族のリクルートがうまくいかなかったため、並行して医療者におけるアドバンス・ケア・プランニングの実践についての研究も行うこととした。
小児神経専門医全員に質問紙調査を行い、治癒が望めない神経疾患を持つ思春期患者とその家族との看取りを見据えた話し合い(アドバンス・ケア・プランニング)の現状について検討を行った。
質問紙の回答率は54%でそのうち意思決定能力のある思春期患者の診療に当たった経験のある186人を解析の対象とした。予後3か月未満が想定される状況下で思春期患者本人とアドバンス・ケア・プランニングを行っている小児神経科医は半数に満たない結果であった。話し合いは本人よりも家族とより行われていた。また、小児血液専門医と比較して小児神経専門医は心肺蘇生や呼吸状態悪化時の人工呼吸器の使用、昇圧剤の使用についてより良く話しているとの結果であった。
本研究の結果はBMJ Paediatrics Openに報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初は患者家族への半構造化面接を予定していたが、患者家族のリクルートがうまくいかなかったため、並行して医療者におけるアドバンス・ケア・プランニングの実践についての研究も行うこととした。
小児領域におけるアドバンス・ケア・プランニングの実践の現状については国内ではこれまでほとんど報告がない。また海外においても医師の実践や障壁に関する調査は少なく調査の意義は大きいものと考えられる。
患者家族の面接についてもリクルート方法を見直し再度検討を続けていく予定である。

今後の研究の推進方策

患者家族の半構造化面接と並行して医療者のアドバンス・ケア・プランニングの実践についての現状調査も行っていく予定である。
成人領域においてもがん以外の領域においては予後の不確実性などの理由からアドバンス・ケア・プランニングが進みにくいとされている。
死亡数が多い新生児領域や循環器領域を中心に医師の実践の現状についての調査を行っていく予定である。
患者家族の半構造化面接については引き続き成育医療センターの患者を中心にリクルートを継続し質的研究につなげていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた半構造化面接による質的研究が協力者のリクルートの問題で進んでおらず質的研究に加えて、医療者に対する大規模質問紙調査を追加する予定とした。
次年度は当初予定していた研究計画に加えて小児循環器領域の診療に携わる医療者のアドバンス・ケア・プランニングについての大規模全国調査を検討しており、その費用として充てる予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Advance care planning for adolescent patients with life-threatening neurological conditions: a survey of Japanese paediatric neurologists.2017

    • 著者名/発表者名
      Yotani N, Kizawa Y, Shintaku H.
    • 雑誌名

      BMJ Paediatr Open.

      巻: 1 ページ: e000102

    • DOI

      10.1136/bmjpo-2017-000102

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Three years' experience with the first pediatric hospice in Asia.2017

    • 著者名/発表者名
      Ando K, Nabetani M, Yotani N, Rin T, Sano H.
    • 雑誌名

      Brain Dev.

      巻: 39 ページ: 783-790

    • DOI

      10.1016/j.braindev.2017.04.019.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differences between Pediatricians and Internists in Advance Care Planning for Adolescents with Cancer.2017

    • 著者名/発表者名
      Yotani N, Kizawa Y, Shintaku H.
    • 雑誌名

      J Pediatr.

      巻: 182 ページ: 356-362

    • DOI

      10.1016/j.jpeds.2016.11.079.

    • 査読あり
  • [学会発表] 「アドバンス・ケア・プランニングの考え方と実践~治癒が望めないこども・家族との話し合い」2017

    • 著者名/発表者名
      余谷暢之
    • 学会等名
      第59回日本小児神経学会学術集会
  • [学会発表] Development and evaluation of training program to assist medical staff in supporting medically complex children at home2017

    • 著者名/発表者名
      Nobuyuki Yotani, Yoshiyuki Kizawa, Haruo Shintaku
    • 学会等名
      14th Asian and Oceanian Congress of Child Neurology
    • 招待講演
  • [学会発表] 短期入所に対する評価と利用前後のこどもと家族の生活の変化 質問紙調査を通して2017

    • 著者名/発表者名
      塩谷一恵、形山恭子、樫埜純子、羽鳥裕子、鍋谷まこと、余谷暢之
    • 学会等名
      第43回日本重症心身障害学会学術集会
  • [学会発表] わが国における小児がん患者の緩和ケア病棟入院に関する実態調査2017

    • 著者名/発表者名
      余谷暢之、木澤義之
    • 学会等名
      第59回日本小児血液・がん学会学術集会
  • [学会発表] こどもホスピスでの思春期における終末期ケアと看取り2017

    • 著者名/発表者名
      滝川裕香、萱野いづみ、樫埜純子、羽鳥裕子、鍋谷まこと、余谷暢之
    • 学会等名
      第59回日本小児血液・がん学会学術集会
  • [学会発表] 長期入院患児への学生ボランティアの関わり~まんがサンタ企画を通して見えてきたこと~2017

    • 著者名/発表者名
      里井文香、余谷暢之、斎賀佳穂、粟野宏之、早川晶、河野誠司
    • 学会等名
      第59回日本小児血液・がん学会学術集会
  • [図書] ホスピス緩和ケア白書20172017

    • 著者名/発表者名
      余谷暢之 木澤義之
    • 総ページ数
      133
    • 出版者
      青海社

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公開日: 2018-12-17  

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