研究課題/領域番号 |
16K16624
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
谷中 久和 鳥取大学, 地域学部, 講師 (60548907)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 抑制機能 / 脳機能発達 |
研究実績の概要 |
さまざまな脳機能イメージングの先行研究によって,抑制機能において前頭前皮質が重要な役割を持つことが明らかにされてきた。本研究課題は,そのような抑制機能と前頭前皮質の関係について,①前頭前皮質と他の領域との関係,②子どもの発達に伴う脳活動の変化を検討することを目的としたものであった。本目的を達成するため前頭前皮質の使用度合の異なることことが予想される複数の課題を開発し,それにより機能的MRIを用いてアプローチしようというものであった。 本年度は課題の検討を行うととともに,機能的MRIだけでなく近赤外光分光法(NIRS)や事象関連電位(ERP)の使用可能性も含めた,実験手法の再検討を行った。実験手法については当初計画では機能的MRIの使用のみを想定していたが,MRI撮像の実施が困難な状況が発生したことから行ったものである。 課題については小学校高学年の子どもでの使用も考慮し,NIRSやERPに適用可能なものを開発した。さらに,計画段階では予定していなかった心理尺度を追加導入し,課題間の統制を図ることを検討している。 また,機能的MRIだけでなくNIRSやERPの使用可能性も含めた実験手法の再検討については,使用が困難になったMRIの調整が進み使用可能の目処が立ったことから基本的に機能的MRIを中心とすることとし,機能的MRIの実施を行った上で年齢的な問題からデータ取得が困難だった場合にはNIRS,ERPを使用することとした。NIRSについては実験の準備が完了し,ERPについては現在準備を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRIの撮像実施予定機関の機器更新と連携の見直しによるMRIの使用中断,申請者の所属・職種・職務内容の変更に伴うエフォートの大幅な変更等があり,課題の開発は行ったものの当初予定していたMRI実験を実施することができなかった。 機能的MRIが使用できない場合に備え,他の実験手法に切り替える検討を行うとともに,MRI実施に向けた実施予定機関との調整を行うなど,当初の計画とは大幅に異なった対応を行った。
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今後の研究の推進方策 |
MRI撮像予定機関との調整はほぼ完了し,現在早期に実験実施が可能な状況である。遅れている成人でのMRI実験を実施するとともに,その解析を行い,前頭前皮質と他の領域との関係について検討を行う。また,MRIのバックアップとしてのERP実験の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたMRI実験を実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度行う予定だった実験については次年度行い,計画通り使用する予定である。
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