研究課題
脳機能低下時や脳機能回復過程における血流変化が及ぼす影響を解明するために、自由行動実験で使用可能な超小型脳機能測定デバイスの開発を行った。本年度は長期間の脳表脳機能測定を目的とし、新手法を用いた超小型脳機能測定デバイスの開発を行った。脳機能低下や脳機能回復過程の血流変化を観察するためには、長期的かつ安定して脳表の血流を観察できるデバイスが必要である。本研究室では、Fiber optic plateを用いた”Chronic FOP window”を開発し、1ヶ月以上の長期脳表計測を可能にした。さらに、Chronic FOP window設置後約1週間のマウスにおいて行動実験中の脳表血流計測を行い、脳刺激による血流応答およびマウスの行動変化を計測することに成功した。本研究成果は、”Chronic brain blood-flow imaging device for a behavior experiment using mice” として論文発表を行った。次に、Chronic FOP windowに対応した血流と脳機能の同時計測を実現する超小型脳機能測定デバイスの開発を行った。このデバイスでは、2色のLED光源と励起光除去用光学フィルタを搭載することで、血流と脳活動の同時計測を実現した。本実験では神経細胞内のカルシウムイオン濃度変化を検出するプローブであるGCaMP6を発現した遺伝子組み換えマウスを使用した。脳刺激後に蛍光変化および血流変化の両方が起きていることを超小型脳機能測定デバイスで観察することに成功した。本研究成果は、” A chronic blood-flow imaging device for a small animal's brain in a behavior experiment”として国際学会で発表を行った。本研究成果より、脳血流と脳活動、および行動の関連メカニズムの解明が期待できる。今後メカニズムの解明が進めば、脳血管障害治療に大きく貢献できると考える。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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