研究課題/領域番号 |
16K16658
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鴨志田 聡子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 研究員 (10773848)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ユダヤ / イスラーム / イスラエル / セファルディー / 言語共同体 / エジプト / トルコ / ラディノ語(ユダヤ・スペイン語) |
研究実績の概要 |
2017年8月にユダヤ教徒とその言語についての現地調査を、カイロ(エジプト)とイスタンブル(トルコ)において実施した。各地域のユダヤ教徒の活動の特徴について考察した。現地では合計22人の関係者に聞き取り調査を実施した。 この研究の成果は、「イスラーム世界のユダヤ人:現在の様子を中心に」(第2回「ユダヤ文献」研究会、東京大学本郷キャンパス、2017年10月)として発表してユダヤ研究者と議論した他、「建国が生んだ『ディアスポラ』:エジプトのユダヤ人の場合」(関西パレスチナ研究会「2017年度 第3回研究会」東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所中東イスラーム研究拠点(人間文化研究機構「現代中東地域研究」事業)共催、京都大学、2018年1月)として発表してパレスチナやイスラームの研究者と議論した。さらに論文として「イスラーム地域のユダヤ教徒:カイロとイスタンブルの場合」(東京大学言語学論集、2018)にまとめた。 またこれまでから今年度までの研究成果を合わせて「ユダヤ人の多様な言語―イディッシュ語とラディノ語を中心に」(地球ことば村 ことばのサロン、慶應義塾大学 日吉キャンパス、2017年10月)などにおいて一般向けにも発表している。 2017年12月には米国ユダヤ学会において本研究に関連する分野の研究動向を調査し、関連する研究者たちと研究交流を行なった。 今年度からイスタンブルのユダヤ人にも注目した。これにより、本研究をきっかけに申請者の研究対象を将来ラディノ語(ユダヤ・スペイン語)の言語共同体にも発展させられるという可能性も見えてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本国内における聞き取り調査を実施できたのだが、諸事情から続けにくい状況にある。海外調査については調査できなかった地域があった。これらの事情により、当初の計画からやや遅れている。ただし、計画以上に進展した部分もある。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は平成29年度に進展が少なかったイスラエルの調査を優先的に行う計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は予算より旅費を要したため、前倒し請求を行なった。前倒し請求はまとまった金額でしか行えないため、必要以上に請求する必要があった。余剰分は平成30年度に使用する。
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