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2019 年度 実績報告書

イスラエルのユダヤ人の言語的多様性:ユダヤに内包されたイスラームの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K16658
研究機関東京大学

研究代表者

鴨志田 聡子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (10773848)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードユダヤ人 / イスラーム / イスラエル / ディアスポラ / 語り / 移民 / マイノリティ言語 / 言語的多様性
研究実績の概要

本研究で報告者(研究代表者)は、イスラーム地域で独自の文化を育んだユダヤ人に注目し、彼らが内包するイスラーム地域の言語や文化に注目し、現代イスラエル(以下イスラエル)のユダヤ人の言語的多様性について調査を進めた。本研究によって研究対象をイスラーム地域出身・在住のユダヤ人にまで拡大することができた。主な成果は以下の通りである。
(1)イスラエル、イスタンブル、カイロ、米国において現地の当事者に直接会って聞き取り調査を行った。イスラーム地域出身・在住のユダヤ人は、彼ら独自の言語、記憶、文化、生活様式などを大切にしていることは明らかであったが、ある種の「語りにくさ」を抱えている可能性があることがわかってきた。言語や記憶の次世代への継承の形態や度合い、イスラエルとイスラーム地域の国家間の関係など、複雑な事情が背景にあるようだ。
(2)調査や分析の内容について、報告者がこれまで取り組んできた東欧系ユダヤ人とイディッシュ語の場合と比較し、研究対象となる人々や、国内と国外でユダヤやイスラームを研究するの研究者らとのディカッションを経て成果報告した。
(3)これまでの調査とその分析から、本研究の対象とする地域と言語をより適切なものに絞ることで、この調査を更に発展させることができることを見出した。そして本研究を「ユダヤ人言語共同体の集団的記憶の形成と伝承:旧オスマン帝国領のラディノ語の場合(特別研究員奨励費、2019.4-2022.3)」に繋げることができた。
(4)2022年度に東京外国語大学(AA研)にカイロ・ゲニザの専門家A. アシュル博士を招聘し、報告者と2人でカイロ・ゲニザ講読の言語研修を実施する予定である。研修に使用する教材や資料は後日ウェブで公開する。報告者は、交流の機会が比較的少ない分野の研究者や当事者同士が、ともに学び相互理解を深める機会を増やすことを目指している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ladino, judeo-espanyol, porque vinimos de Espanya: Memoria y cultura de los sefardies2020

    • 著者名/発表者名
      Satoko Kamoshida
    • 雑誌名

      Actas del III Congreso Internacional

      巻: 1 ページ: onlie

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Vi halt men on yidish-limd in yapanisher universitetn2019

    • 著者名/発表者名
      Satoko Kamoshida
    • 学会等名
      Yidish-sof-vokh
    • 招待講演
  • [学会発表] Culture, history and people: key factors for success of Judeo-Espanyol education for non-Jews2019

    • 著者名/発表者名
      Satoko Kamoshida
    • 学会等名
      8th Annual ucLADINO Judeo-Spanish Symposium
  • [図書] アンチ2019

    • 著者名/発表者名
      ヨナタン・ヤヴィン、鴨志田 聡子
    • 総ページ数
      294
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784001164169
  • [備考] ユダヤ人と言語

    • URL

      http://syidish.hatenablog.com/

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公開日: 2021-01-27  

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