研究課題/領域番号 |
16K16660
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊賀 司 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 特別研究員(PD) (00608185)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スキャンダル / 権威主義体制 / マレーシア |
研究実績の概要 |
計画初年度となる28年度では、政治的スキャンダルや汚職に関する理論および権威主義体制に関する先行研究を渉猟するとともに、マレーシアの政治的スキャンダルに関するデータを収集することにした。また、本科研研究がスタートしたと同時に深刻化していったナジブ政権の1MDBスキャンダルについてもその経緯、国内外の報道の行われ方、(政治的スキャンダルは依然として完全な幕引きになってはいないものの)そのおおよその帰結などを意識しながら情報収集することにもなった。 政治的スキャンダルの理論については、社会学における構築主義の理論を応用することを研究計画作成当初から考えており、その先行研究について調査を28年度中に集中的に行った。権威主義体制に関する近年の理論動向についても先行研究の渉猟を行ったが、この方面で政治的スキャンダルを正面から取り上げようとする研究が少ないことがわかり、本研究の独自性や先駆性を再確認することができた。 マレーシアの政治的スキャンダルについては、当初はマハティール政権期の1980年代からと考えていたものの、もう少し範囲を拡大して与党連合BNの始まりの1970年代以降の主要な政治的スキャンダルについてデータを収集する作業を続けている。 1MDBスキャンダルは学会の年次報告などではまだ報告をしていないものの、日本マレーシア学会の関東例会(7月16日立教大学)で経緯についてまとまった報告を行っており、情報収集とそのまとめを同時進行的に行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事前に計画した通り、理論を中心とする先行研究の渉猟やマレーシアのこれまでのスキャンダルについてのデータ収集が進んでおり、おおむね研究計画の線に沿った進展具合である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまで続けているマレーシアの政治的スキャンダルに関するデータ収集を続けて最終的なデータベースの構築を進めるとともに、現地での関係者へのインタビュー調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
12月末から1月末に予定していたマレーシア予備調査の1回分が行えなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度のマレーシアの現地調査回数を1回分だけ増やす予定。
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