本研究は、ヒマラヤ高地において伝統的な食事である大麦に注目し、大麦の摂取を中心とした「ヒマラヤ式食事」が、生活習慣病の改善につながるかを探求することを目的とし、インド・ラダーク地域において調査をおこなった。大麦を中心とした伝統的食事に、野菜類等の多様性がくわわった「ヒマラヤ式食事」をもとに地域背景をふまえた栄養指導を実施し縦断的にフォローした。ヒマラヤ高地の食については、食事の中心とされてきた大麦について、その栄養成分と健康への影響についてまとめた。ラダーク地域の農村部ドムカル村における栄養調査データを分析し、近年の食物摂取の変化の実態を示すとともに、食の変化の健康への影響を考察している。
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