研究課題/領域番号 |
16K16669
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
前川 直哉 福島大学, 教育推進機構, 特任准教授 (20739156)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 同性愛 / ジェンダー / セクシュアリティ / 親密性 / BL / 男性同性愛 |
研究実績の概要 |
研究実施計画に従い、2020年度には引き続き「女性同性愛に関する史料調査・分析」および「研究課題の包括的考察」を行った。これまで収集した史料の調査及び分析を進めるとともに、研究課題の総まとめとなる考察を行った。 研究の一環として『歴史地理教育』915号に「性的マイノリティと社会、そして学校」、『学図研ニュース』417号に「性の多様性について学校図書館でできること・すべきこと・してほしいこと」、『心の健康』65号に「誰もが自分らしく過ごせる社会を目指して:性的マイノリティの生きづらさを中心に」を発表したほか、堀あきこ・守如子編『BLの教科書』(有斐閣)に「ゲイ男性はBLをどう読んできたか」を発表し、男性同性愛者がどのような親密な関係性を希求してきたかの歴史的変容について、BL(ボーイズ・ラブ)作品を通じた考察を深めた。また杉浦郁子氏と『東北地方の性的マイノリティ団体 活動調査報告書』を共編し、東北地方における男性同性愛者のライフスタイル・ライフコースについての調査を実施した。これにより、ジェンダーの違いに加え、地域による違いという新たな視点を当該研究に組み入れることができた。地域の違いが当事者に与える影響にもジェンダー差があると推測され、当該研究のようにインターセクショナリティ(交差性)を視野に入れたセクシュアリティ研究を進める必要性がより一層明確となった。 ただし新型コロナウィルス感染症の流行拡大の影響により、当初計画からの遅延が生じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行拡大の影響を受け、学外での調査等が著しく制限されたこと、また勤務先における遠隔授業の実施等により業務が多忙化したため、一時的な遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も引き続き「女性同性愛に関する史料調査・分析」および「研究課題の包括的考察」を行う。また新たに得られた知見・視点を踏まえ、学会大会での報告や論文等の執筆などを通じ、最新の研究成果の発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症流行拡大の影響で県外出張調査を取りやめるなど研究計画を変更したため。
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