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2018 年度 実績報告書

推論の自然化へ向けた哲学理論の構築:動物・幼児における「言語なき推論」に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 16K16687
研究機関玉川大学

研究代表者

小口 峰樹  玉川大学, 脳科学研究所, 特任助教 (30597258)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード心の哲学 / 神経哲学 / 動物認知の哲学 / 対称性推論 / カテゴリー
研究実績の概要

本年度は、まず、前年度に引き続き、「対称性推論」(「AならばB」から「BならばA」を導くような推論)を題材とした動物行動学や神経生理学における実験的・理論的研究に関する文献調査を行った。人間においては幼児期から対称性推論に基づく選択バイアスが顕著に働くのに対して、他の多くの動物種では対称性バイアスを示す行動的な証拠は得られていない。これは報告者が並行して行っている実験研究で用いているマカクザル(ニホンザル)でも同様である。対称性推論は幼児期における語彙の爆発や柔軟な表象の操作に関係しているとしばしば主張される。この点で、対称性推論を可能にするメカニズムを解明することは、推論の自然化にとって重要な論点となると考えられる。
報告者は、これらの文献調査、およびカテゴリー機能に関する文献調査に基づき、「対称性推論で対となる刺激群がカテゴリーを形成することが対称性推論の成立にとって不可欠である」という仮説を立て、従来の研究で十分に行われていなかった「カテゴリー学習を経ての対称性推論のテスト」というパラダイムで、実際にマカクザルを用いた行動テストを行った。具体的には、複数の刺激ペアを用い、「AならばB」という順行性の対連合をマカクザルに学習させた上で、「BならばA」という対称性の対連合を刺激ペアの一つに関してテストし、さらにその刺激ペアの対称性対連合を学習させた。6つの刺激ペアに関してこうしたテストと学習を逐次的に行ったが、対称性バイアスを示す顕著な証拠は得られなかった。これらのテストで用いたサルは引き続きカテゴリー形成およびカテゴリー推論の神経基盤を解明するための実験で使用している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ウイルスベクター二重遺伝子導入法を用いた化学遺伝学的不活化によるマカク前頭前野-線条体回路の機能解明2018

    • 著者名/発表者名
      小口峰樹
    • 学会等名
      平成30年度第1回大脳基底核機能研究会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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