研究実績の概要 |
本研究は、経営者や投資家が直面する投資に内在する倫理的問題を突き止め、その問題を解決するため、日本版倫理コード(Code of Ethics)を提案することを目的とする。 平成28年度は、投資に内在する倫理的問題の特定を目標とし、以下の研究を中心に行なった。 1.責任ある投資に関する文献研究を行ない、先行研究から投資に内在する倫理的問題の特定を試みた。そして、それが倫理学で議論されてきた「道徳と自己利益の対立」という論点にかかわることを明らかにした。成果の一部は、上海で行われた国際学会International Society of Business, Economics, and Ethics(ISBEE)の大会で発表し、各国の研究者と意見交換を行なった。発表内容は修正して、同大会のプロシーディングスに投稿中である。 2.道徳と自己利益の対立に関して、フィリッパ・フットの著作(Philippa Foot, Natural Goodness(2001)など)で提案された解決法を検討した。成果の一部は、韓国で行われたConference on Contemporary Philosophy in East Asia(CCPEA)2016で発表し、各国の研究者と意見交換を行なった。発表内容は修正して、学術誌に投稿中である。 3.経営者と投資家との意見交換を行ない、「責任ある投資」の導入・実施において問題だと考えられているものを検討した。
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