| 研究課題/領域番号 |
16K16698
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| 研究機関 | 国際仏教学大学院大学 |
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研究代表者 |
上杉 智英 国際仏教学大学院大学, その他の研究科, 研究員 (50551884)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 思渓版大蔵経 / 前思渓録 / 後思渓録 / 原本調査 / 台北故宮博物院蔵 / 中国国家図書館蔵 / 楊守敬 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、思渓版大蔵経の目録である台北故宮博物院蔵南宋刊本（故宮本）の書誌学的研究、並びに故宮本と本来一具であった中国国家図書館蔵思渓版大蔵経の原本調査により、目録と現存状況の乖離の原因を究明し、思渓版大蔵経刊行の実態を実証的に解明することである。本目的を達する為、28年度は思渓版大蔵経、およびその目録について、下記の調査・研究を実施した。
（１）【目録】マイクロ複写本による事前調査：故宮本のマイクロ複写本により確認し得る書誌情報を抽出すると共に、原本による要確認箇所を検討し原本調査に備えた。
（２）【目録】京都大学附属図書館蔵本の原本調査：流布本である『昭和法宝総目録』所収本の底本である京都大学附属図書館蔵本の原本調査、並びにマイクロ複写を行い、系譜・問題点等を検討した。
（３）【遺例】既刊の調査報告書による現存状況の整理、目録化：既刊の調査報告書等により長滝寺・喜多院・増上寺・長谷寺所蔵の現存一覧リストを作成した。今後、中国国家図書館蔵本等の情報を追加していく予定である。
（４）【遺例】中国国家図書館蔵本の原本調査：中国国家図書館蔵本の内、通常の版式とは柱の位置の異なる経典を収める18函を抽出し、その刻工名を確認した。
（５）先行する思渓版大蔵経研究を回顧し、現在の通説に到る過程を検証することで、思渓版研究の課題を明らかにした。その成果を上杉智英「思渓版大蔵経研究の回顧と課題」として日本印度学仏教学会第67回学術大会（2016.9.4 於東京大学）で発表、『印度学仏教学研究』第65巻第1号（2016.12）に投稿、掲載された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「故宮本のマイクロ複写本による事前調査」、「既刊の調査報告書より思渓蔵の現存状況を整理、目録化」は順調に遂行し得た。
「中国国家図書館蔵本の原本調査」は2回6日間予定していたが、日程の都合により1回3日間となった（これについては29年度以降にまた実施する予定である）。その代替として当初予定していなかった京都大学附属図書館蔵本の原本調査を実施し、系譜・問題点等を検討した。
当初の計画とは異なるものの研究自体はおおむね順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後、目録に関しては故宮本の原本調査、翻刻文の作成、補写部分の底本の検討を実施する。遺例に関しては、中国国家図書館蔵本の原本調査の継続、岩屋寺蔵本の原本調査を実施し現存状況を目録化する。
これら目録に対する書誌学的研究、並びに遺例の原本調査により、目録と現存状況の乖離の原因を究明し、思渓版大蔵経刊行の実態を実証的に解明する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
28年度に2回6日間を予定していた中国国家図書館調査を都合により1回3日間とした為。
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| 次年度使用額の使用計画 |
29年度以降に中国国家図書館調査を実施し、その費用に充当する。
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