研究課題
若手研究(B)
本研究は、従来ほとんど注目されずにいた摂関院政期(平安後期~鎌倉初期、古代末期~中世初期)の漢学思想を解明し、思想史研究に正しく位置付けるとともに、分析の方法論を編み出すことを目的とした。そのために、国内の文学研究や歴史研究、そして中国大陸や台湾での漢学研究も参照した。また、当時よく読まれた漢籍などにも着目して漢学思想の特色を把握し、得られた知見を著名な思想問題の考察に応用して通念に修正を迫った。以上の成果は国内外で研究発表し、査読付きの論文や研究ノートなどとして刊行した。
日本思想史
神国言説を時系列で分析し、慈円『愚管抄』巻第7の訳注を作成するなど、著名な思想言説や思想書についての基礎研究を行った。他の研究者にとっても利用可能で有益な研究成果を提供できたと考えられる。また、やはり著名な源頼朝の「天下草創」を正しく理解するためにも漢学の視角が必要であることを指摘するなど、学界に問題提起できた。