研究課題/領域番号 |
16K16720
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
前崎 真紗子 (山本真紗子) 立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (70570555)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 近代 / 日本美術 / 工芸 / 輸出 / 池田清助 / 濱田篤三郎 / Thomas Joseph Larkin |
研究実績の概要 |
研究代表者は2016年秋ごろ妊娠がわかり、2017年5月に出産をした。そのため、産前産後は研究活動を中断した。受入機関と雇用関係を結んでいないことから育児休業の取得ができなかったため、科研費の補助事業期間の延長届を提出することはできなかった。また、出産後から2017年度内では子供の保育園入園ができず、研究代表者が主に育児を担っていたため、実質的に調査・研究活動を中断した時期があった。本来の研究計画では、2017年度に国内調査と海外調査を計画していたが、上記の理由から研究活動そのものをおこなうことができなかった。そのため、本年度は資料の収集と、ウェブ上で公開された資料などを使用しつつ、可能なかぎりの調査活動をおこなうにとどまった。そして、現在までの調査をまとめ、論文化する準備や実際に論文化をおこなった。 2017年度は、2016年10月の”All the Beauty of the World The Western Market for non-European Artefacts(18th-20th century)”で発表した内容の書籍化のための原稿執筆をおこなった。また、British Newspaper Archiveを用い、池田清助や、その協力者であるThomas Joseph Larkin のギャラリーの記事を抽出。Larkinの経歴や、彼の運営したギャラリー the Japanese Gallery の展覧会などの情報を得ることができた。この調査の一部は論文化し、現在公刊のための準備作業をすすめている。また、Larkinがパリの日本人美術商・林忠正と取引をしていた形跡があることから、林忠正の資料の調査を進めているところである。 2018年度以降も、当初の研究計画では海外調査を予定していたが実現の見通しがたてにくいため、国内調査や、ウェブでのデータベースの使用による調査など、代替の調査計画を実施・検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述したように、2016年秋ごろから妊娠のため、当初予定していた海外・国内の出張の停止を余儀なくされた。2017年5月に出産をしたが、子供の保育園入園ができなかったこともあり、出産前後の約半年間は研究そのものがほぼできなかった。2017年秋ごろから徐々に自宅でできる範囲で研究を再開している。外出や人と会っての調査は不可能だったため、論文化の準備や論文の執筆をもって研究活動としていた。
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今後の研究の推進方策 |
前述したように、2017年5月に出産をしたことから、当初計画していた海外調査・国内調査の実施を中止した。そのため、調査の経費として計上した出張旅費などを執行することがなく、かなりの金額が残った。2018年4月より、子供を保育園に預け徐々に研究を再開しており、様子をみながら遠方への調査出張の計画などもたてていきたいと考えている。また、使用しなかった出張費をつかって以前の調査で発見した資料の翻刻費用などに充てることも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述したように、2017年5月に出産をしたことから、当初計画していた海外調査・国内調査の実施を中止した。今回生じた次年度使用額は、本来は出張旅費として計上していたものである。2018年4月より研究を再開しているが、海外調査などは家族の状況をみながら計画する必要がある。現状では長期で自宅を不在にすることが難しいため、海外調査に関しては、ウェブ上のデジタル・アーカイブの活用などをもって代替の調査にしたいと考えている。国内出張については、状況をみつつ実施していきたい。また、これまでの調査で得られた一次資料の翻刻などの作業を進めたいと考えている。
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