研究課題/領域番号 |
16K16722
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研究機関 | 鹿児島国際大学 |
研究代表者 |
小田 綾 (伊藤) 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 准教授 (50767043)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マックス・レーガーの歌曲 / リヒャルト・シュトラウスの歌曲 / All' mein Gedanken / 歌曲の比較分析 / 歌曲の統辞論的分析 / Leise Lieder |
研究実績の概要 |
1)2019年度の研究を基にした英語論文投稿→採用 2019年に第5回国際音楽学会東アジア大会(in 蘇州)にて行った研究発表を基に、リヒャルト・シュトラウスとマックス・レーガーの《Leise Lieder》を比較および統辞論的に分析した結果を英語論文にまとめた。この論文「A Comparative and a Syntactic Analysis of Richard Strauss's Lied Leise Lieder and That of Max Reger」は鹿児島国際大学大学院学術論集第12集(pp. 41-53)に再録された。
2)2020年度の研究結果を論文として執筆・投稿 2020年度はリヒャルト・シュトラウスとマックス・レーガーにテクストが共通する歌曲13曲のうち、1小節のみの拍子記号変化がみられる曲(それぞれ4曲)の統辞論的分析と、そのうちテクストも共通する2曲の比較分析を行なった。その中でもレーガーによるシュトラウスの作曲技法の意図的な模倣と模倣の回避が顕著に見られた〈All' mein Gedanken〉について分析の詳細と結論を論文「リヒャルト・シュトラウスとマックス・レーガーの〈私の想いのすべて All' mein Gedanken〉」としてまとめ、鹿児島国際大学国際文化学部論集第21巻第4号(pp. 305-318)に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの蔓延に対応するために、勤務校の業務が大幅に増え、研究時間を思ったように確保することができなかった。また、例年行っていたドイツのマックス・レーガー研究所の訪問も叶わず、これまで行ってきた自分の研究結果に関する意見交換や、研究対象曲も含まれる歌曲の校訂作業に関する最新の情報を得ることが出来なかった。とりわけ、作業中の校訂譜における新たな事実は、校訂譜出版前にメール等で情報をもらう事は許されず、現地で口頭で教えてもらうしか方法はない。そういった面での情報収集作業も2020年度はできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長していただいたが、新型コロナウィルスの蔓延は未だ収束が見えず、2021年度中にドイツのマックス・レーガー研究所を訪問することは、2021年5月の時点では不可能と考えられる。従って、2021年度はマックス・レーガーとリヒャルト・シュトラウスの歌曲の比較研究を完結させ、その中で最も注目すべき成果を日本音楽学会全国大会で発表するとともに、論文にまとめたい。また、この比較研究全体については、最終的に著書としての出版を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はドイツのマックス・レーガー研究所へ資料収集へ赴くことができなかったため、次年度使用額が生じた。2021年度は、論文の英文校正、歌曲の最新校訂版が出版された場合はその購入、学会の参加費および旅費等に助成金をあてたい。
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