研究課題/領域番号 |
16K16722
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 鹿児島国際大学 |
研究代表者 |
伊藤 綾 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (50767043)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マックス・レーガー / ドイツ歌曲 / 韻律と拍節の関係 / 言葉と音楽の関係 |
研究成果の概要 |
本研究では、マックス・レーガーの歌曲を統辞論的に分析することを通して、以下の大きくふたつの成果をあげることができた。 1)リヒャルト・シュトラウスとレーガーの共通するテクストを持つ歌曲を比較分析することにより、レーガー作品におけるシュトラウスの影響と、そこから独自の作曲技法を追求したレーガーの姿勢を具体的に明らかにした。 2)レーガーの独唱歌曲の分析を通し①ひとつないし複数のモティーフを楽曲全体に拡張させる手法。②1小節のみの拍子記号の変化をもつ楽曲において、拍子記号(視覚的情報)と拍節(聴覚的情報)に齟齬を持たせる手法。のふたつの独自の作曲技法を明らかにした。
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自由記述の分野 |
音楽学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マックス・レーガーはさまざまなジャンルにおいて数多の楽曲を残しているが、多種多様な技法を駆使しているため、これまで「レーガーらしさ」すなわち「レーガー独自の作曲技法」について具体的に明らかにした研究はほとんどなかった。その点から、本研究でふたつの「レーガー独自の作曲技法」を明らかにしたことは、レーガーの作品分析研究において大きな一歩となったと考える。とくに歌曲のジャンルにおいては、一部の歌曲ばかりが分析される傾向にあったが、本研究でこれまで誰も取り上げなかった歌曲を考察したことは、今後のレーガーの歌曲およびその他のジャンルの研究においても、重要な布石になったと言えよう。
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