研究課題/領域番号 |
16K16724
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 悠里 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (70770288)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ルリユール / 製本 / 装幀 / デザイン / 箔押し / 工房 / 職人 |
研究実績の概要 |
本研究課題の初年度にあたる平成28年度は、フランス革命後のルリユールに関し、第一に、製本業を営んだ工房の全体像を検討することを行った。具体的には、革命以前から製本業を継続した工房、19世紀に開業した製本工房、新規参入の他業種の工房の活動である。同業者組合の解体後、製本業者の多くは国外へ亡命し、ルリユールの注文主の喪失によって、製本工房の開業地域はパリ大学から周辺地区、さらには地方へと分散していった。また第二に、19世紀に執筆された製本技術書の分析を行い、革命以前に刊行された王立科学アカデミーの技芸書との比較を実施した。とりわけ分析を行ったのは、製本職人レネによって執筆された『ルリユールの歌』である。本書は詩歌として記録されたものであり、同時期の科学者ルノルマンによる『製本職人のためのマニュアル』とは異なり、体系だったものではなく、記述は難解とされてきた。本研究では、パリ国立聾学校に残された製本職人レネの執筆による別の技法書の存在に着眼し、それを手掛かりに『ルリユールの歌』の解読と検討を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年度は、研究実施計画書に記した目標として、革命後における製本業の全体像の把握と製本技術書の分析をおおむね達成することができた。特に、製本職人レネの国立聾学校における技術教育の活動をはじめとして、製本技術書の分析に必要な資料収集とともに実際の製本作品との比較検証を行い、次年度の研究にも部分的に着手することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、平成28年度に行った製本技術書の分析をさらに進めると同時に、19世紀以降における製本術および装飾デザインの変容を、実際の製本作品と比較検証して分析する。また、19世紀以降の万国博覧会における製本職人の活動についても検討する予定である。
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