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2018 年度 実施状況報告書

近世期に作成された、書画の「極書」に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K16739
研究機関独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館

研究代表者

福士 雄也  独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部美術室, 研究員 (50747334)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード極書 / 狩野派
研究実績の概要

30年度は、4年計画のうちの3年目にあたる。29年度に引き続き、京都国立博物館に収蔵される作品および京都近郊に所在する作品、さらに東京に所在する作品について極書の調査を行い、基礎データの収集を行った。
その結果、新たに37件の作品及び極書双方の作者・内容について基本的な情報を整理し、目録化することができた。その際、数値データや文字情報の記録に加え、極書の詳細な写真撮影を進め、相互の比較考察を可能とする画像データの蓄積を行った。
また、29年度の研究実績により、特に狩野派及び古筆家に注目した調査を行う必要性が認識されたことをふまえ、37件のうち22件については狩野派による極書を調査した。古筆家を含む狩野派以外の制作者による極書についても引き続き情報を蓄積していく必要があるが、最終年度に向け狩野派に焦点を絞った調査を進めることで、データからどのような結論を引き出すことができるのか、考察を深める見通しが得られた。
31年度の研究に備え、調査の候補作品約30件をリストアップし、効率的な調査研究を進めるための準備を行った。
なお、年度途中に本研究に関連する興味深い史料の紹介があり(小野真由美・恵美千鶴子「研究資料『銅御蔵御掛物御歌書極代付之帳』の翻刻と解題」『美術研究』425号、2018年)、極書に関連する他の史料の存在についても知ることができた。そうした史料についても調査を行うことで、より有意義な研究となるものと思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

目録化できた作品数は目標の50件を下回ったが、極書相互の比較考察が一定程度可能なデータが集まりつつある。極書のような付属品の情報については、所蔵者・所蔵機関において充分にその内容が認識されていないことがあり、あらかじめ特定の制作者による極書をターゲットに調査を行うことは困難なことが多いが、集中的な調査を行うことで効率を上げていく予定である。

今後の研究の推進方策

30年度に本研究に関わる興味深い史料紹介があった。小野真由美・恵美千鶴子「研究資料『銅御蔵御掛物御歌書極代付之帳』の翻刻と解題」(『美術研究』425号、2018年)は、狩野家及び古筆家による柳営御物の鑑定記録(写本)の翻刻であり、これに類似する史料の存在も小野氏らの論文により知ることができた。
31年度は極書そのものの調査とあわせ、こうした関連史料を調査することで、研究の総括と、今後の展開について考察を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)データ収集の不足件数を短期間に補うため、京都近郊での調査が主体となり旅費の支出が想定を下回ったため。

(使用計画)すでに関東地方の調査を複数回予定しており、京都近郊のみならず各地に出向き情報収集および考察に必要な史資料の調査を実施する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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