研究課題/領域番号 |
16K16742
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松田 鮎美 (寺田鮎美) 東京大学, 総合研究博物館, 特任准教授 (50466869)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ミュージアム / 現代演劇 / 文化政策 |
研究実績の概要 |
本研究では、1)文献調査や先行研究の既存データの分析等による理論的研究、及び2)インタビュー等を用いた社会調査や公演記録等の事例調査による実践的研究の二つを柱とする。研究計画の初年度では、1)については、主に文献調査に取り組み、ミュージアムの活動の重心が「収集」から「活用」へと移行してきた背景について整理を行い、本研究の理論的枠組みの構築を試みた。また、ミュージアムの展示に関する利用者の体験やニーズに関する視点より、ミュージアムにおける演劇創作にとって重要な要素となる「参加型」の利点と課題について、文献調査に基づき、考察を行った。今年度の調査により、これらの研究課題の重要性が改めて浮き彫りになったため、次年度も同様の理論的研究を継続する予定である。2)については、国内外でミュージアムにおいて演劇あるいはパフォーマンス公演を行った実績のある館のリスト化に着手した。これに関連し、現地調査を実施した。この情報収集は次年度にも引き続き行い、研究資料としての本リストの充実化を図っていく。そのほか、演劇関係者(演出家や俳優等の実践家)にインタビューを行い、非劇場空間における演劇創作について、回答者の経験に基づく事例を収集し、記録化を行った。さらに、ミュージアムにおけるコレクション活用とコミュニケーション創出の新たな方法論の検討のために、ミュージアムにおける演劇創作の可能性についても、演劇関係者から聞き取りを行った。このインタビュー調査は、次年度も継続し、統合的な分析及び考察を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査について、調査の進展により、さらに検討すべき課題が明らかになったが、おおむね順調に進んでいる。また、インタビュー調査のアポイントメントの都合により、一部の調査が次年度に持ち越しとなっているが、研究計画の変更は必要ない程度である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究も、引き続き、1)文献調査や先行研究の既存データの分析等による理論的研究、及び2)インタビュー等を用いた社会調査や公演記録等の事例調査による実践的研究の二つを柱とする。前年度からの継続的調査課題や検討課題は速やかに進め、計画している次の研究課題に影響が出ないようにスケジュールを組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費は在職機関での勤務状況との兼ね合いで、外国出張の旅程が短くならざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。人件費・謝金については、インタビュー調査のアポイントメントの都合上、予定していた調査のすべてが実行できなかったため、次年度に持ち越すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
外国出張の旅程を確保し、前年度からの繰り越し分の旅費を充てる。人件費・謝金については、継続調査を実施し、そこに充てるものとする。
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