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2019 年度 研究成果報告書

現代音楽劇における「間」の美学:トランスカルチュラリティの地平

研究課題

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研究課題/領域番号 16K16750
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 芸術一般
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

北川 千香子  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (40768537)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード現代オペラ / 間 / 沈黙 / 静寂 / 余白 / 細川俊夫 / サルヴァトーレ・シャリーノ / ポストドラマ演劇
研究成果の概要

本研究は、日本の美学や思想の特性とみなされてきた「間」の概念を、主としてドイツの演劇美学論を援用することによって理論化および相対化し、再定義を行った。「間」は、日本文化論においてしばしば神秘化され、定義も曖昧化されてきた傾向があるが、本研究では、沈黙、静寂、余白といった具体的な現象の上位概念として「間」を捉え、それらの諸現象がいかに表象され、それが受容にいかなる作用を及ぼすかについて、日欧の現代オペラ作品を例に検証した。沈黙や余白といった不在性を帯びた諸現象は、上演空間において強いプレゼンス(在)を発揮し、独自の時間を創出すると同時に、新たな意味と受容の地平を切り開く可能性を内在させている。

自由記述の分野

演劇学

研究成果の学術的意義や社会的意義

日本文化に通底する美学としての「間」については、これまで日本の美学、哲学、文化論のなかでさまざまに論じられてきた。しかし、「間」が何であるかという明確な定義は未だ定まっていない。本研究の学術的意義は、この曖昧な「間」という概念を、沈黙、余白、静寂、空隙といった具体的な現象として捉え、これらの現象がもつ在と不在の両義性にこそ、その特性と芸術的なポテンシャルがあることを明らかにした点にある。
また、この「間」の概念は、日本文化論のなかで日本固有の美学として紹介されることが多かったが、実際には、同様の美学は他の文化にも見られ、日欧の現代オペラに新たな地平を開く可能性を秘めていることを検証した。

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公開日: 2021-02-19  

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