研究課題
若手研究(B)
『出雲風土記解』写本の調査と検討を通し、『出雲国風土記』の研究を行った。『出雲風土記解』は広く読まれ、多くの写本が残されている。それらの中には、国学者たちの書き込みも残されているものもある。『出雲風土記解』は、近世期の『出雲国風土記』研究の在り様を伝える宝庫である。報告者は、そのような『出雲風土記解』写本中の国学者たちの言説を研究史上に位置付けつつ、『出雲国風土記』理解の深化を図り、5点の論文を公にした。
日本上代文学
本研究で調査した写本の中には、学会内でも言及されることのないものが含まれる。また、調査の過程で、従来の説明に修正が求められる事柄もあることが判明した。さらに、執筆した論文では、来年(2020年)に成立から1300年を迎え、社会からも多くの注目を集めることが予想される『日本書紀』と『出雲国風土記』の関係を整理・公表した。以上の研究により、学術・社会両面にわたる貢献を図った。