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2016 年度 実施状況報告書

芥川龍之介編纂英語副読本についての基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K16778
研究機関別府大学

研究代表者

澤西 祐典  別府大学, 文学部, 講師 (30771133)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード比較文学 / 国文学 / 英米文学 / 英語教育 / 芥川龍之介
研究実績の概要

旧制高等学校の学生向けに、芥川龍之介が編纂した英語副読本"The Modern Series of English Literature"(全八巻)について、当時発刊されていた英語副読本との比較から、芥川の編纂した叢書全体の特色について分析を行い、その特異性が明らかになった。
また当該叢書のうち、第一巻"Modern Fairy Tales(現代御伽噺集)"と第二巻"Modern Short Stories(現代短篇集)"を中心に調査・分析を行い、芥川龍之介とアイルランド文学についての深い関わりや、これまで注目されてこなかった日本近代文学館所蔵の芥川龍之介旧蔵書への書込みが明らかになったが、研究成果を発表する段階になり、学術的正確性を期すためには、すでに調査を終えた日本近代文学館旧蔵書に加え、山梨県立文学館所蔵の芥川龍之介旧蔵書の調査が不可欠であると判断するに至った。しかし、当初計画になく、本研究にとっては必要不可欠な古書の購入による高額な出費があり、当年度内の予算内で資金繰りがつかず、やむなく研究成果発表自体は見送り、次年度早々に調査を行い、研究成果発表に繋げることとした。
一方で、科研費補助を得られている三か年内で思うような成果が得られなかった際を想定して、当初予定案では当該英語副読本の翻訳出版計画を立てていた。当該叢書に収録された作品は未邦訳も多く、いかに芥川が英米文学に通じていたか、研究者のみならず、広く一般にも研究成果を還元できると期待できるが、翻訳出版計画に関しては着実に交渉が進んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

成果発表に際して、学術的正確性を期すために、山梨県立文学館所蔵資料の調査が不可欠であると判断したが、当初予定になかった英語副読本(古書)の大量購入等があったため、当年度内の予算内で資金繰りがうまく行かず、また次年度からの流用申請期限も過ぎていたため、研究成果発表は見送った。一方で、当初計画案通り、英語副読本の翻訳出版計画については、交渉が着実に進んでいる。

今後の研究の推進方策

早急に山梨県立文学館への調査(本年度4月実施済み)結果をまとめ、研究成果発表へ繋げる。次に、英語副読本第三巻"Modern Ghost Stories"を中心に、芥川の採択した"怪異譚"について広く論じて研究成果を出す予定である。次に当初予定計画では本年度は、第四巻"Modern Short Plays"と第五巻"Modern Short Essays"に割り当てる予定であったが、計画の遅れ、並びに翻訳出版の進行を鑑み、第四巻戯曲集のみに専念して、生涯に一作の戯曲も発表しなかった芥川にとって戯曲がどのような位置づけにあったのか考察し、研究成果発表に繋げたい。同時に、すでに述べた通り、未邦訳の作品を多く含む当該叢書の翻訳出版計画を進めたい。

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公開日: 2018-01-16  

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