| 研究課題/領域番号 |
16K16783
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| 研究機関 | 福島大学 |
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研究代表者 |
高橋 由貴 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (90625005)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 女性詩人 / 日本の英語詩 |
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| 研究実績の概要 |
平成29年度は、宮城県登米市にある畠山千代子生家に赴いて資料調査を行い、研究支援者と学生2名の手を借りながら、第一次目録化作業を完了した。具体的内容は以下①～④のとおり。
①資料撮影……デジタルカメラおよび非接触スキャナを用いて紙資料を撮影した。今回は、内容を確認しておおよそ判読できる程度の簡易撮影を行った（資料を選別した上で行う本撮影の前段階にあたる）。撮影した写真は4000枚以上にも及んだ。
②資料レスキュー……今年度は、資料1枚1枚の状態確認と質管理に力を入れた。初年度に行李から取り出して中性紙封筒や箱に移し替えておいた資料（ノート・手帳・複数枚重なっている紙・畳まれている書簡など）を確実に保全するべく、シワがある紙を伸ばす、折り重なっている紙を剥がして1枚ずつ封入する、紙の湿気を取るといった作業を行った。エンプソン書簡や宮城女学校教師書簡なども、生家の保管者と相談の上、管理・保存の改善をはかった。
③第一次目録化作業……保管者による既存の区分をベースにしながら、次のように分類し、各資料に仮番号を付して撮影を行った。
【1-1～1-150 日本語詩・雑記（単行本収録原稿）】【1-151～1-158 日本語詩（未収録原稿）】【1-159～1-202 日本語詩・短歌】【1-203～1-237 随筆等】【1-238～1-259 英詩（原詩）】【1-260～280 日記・手紙】【1-323～1-330 一九三四年詩】【2-1159～1202 エンプソン手紙】
④資料内容の検討……エンプソン書簡の一部読解に着手した。手紙には当初想像していた以上に濃やかな添削・指導が入っていることが判明したため、千代子の原詩とエンプソンが付したコメントの翻刻を鋭意進めている。また、資料中の人名や時期など詳細が不明である箇所については適宜保管者に問い合わせながら年譜を作成している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第一次目録化作業は計画どおりに遂行することができ、主だった現存資料を撮影できた。しかしながら、思っていた以上に資料の劣化・変質・文字のかすれが多く、今年度の作業の大半は資料管理・保全に費やさざるをえなかった。そのため、重要資料の本撮影および第二次目録化作業を行うまでには至っていない。すでに翻刻作業や内容調査にも着手しているが、資料劣化のために判読が難しい部分が多く、当初の計画以上に時間と労力がかかると思われる。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の作業として、第二次目録化作業、目録作成、資料翻刻を順次行う。特に重要資料の本撮影を急ぎつつ、より詳細で正確な分類を行いたい。詩の原稿および宮城女学校の教師と畠山千代子がやりとりした書簡類については、生家の資料保管者と相談し、また著作権保護などにも注意しながら、重要なものは翻刻して公表していく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2017年10月から産休育休を取得したため、11月以降に予定していた資料調査の実施を次年度に延期したためである。今年度に使えなかった分は、育休明けの2018年8月以降の資料調査および資料データ入力作業の謝金として計画どおりに使用する予定である。
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