研究課題/領域番号 |
16K16787
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
長谷川 雅世 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30423867)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ディケンズ / 帝国周縁部 / 男性らしさ / 慈善活動 / 女性の影響力 / イデオロギー |
研究実績の概要 |
本年度の前半は、主として、前年度に収集したヴィクトリア朝時代の慈善事業や医療活動についての資料の読解作業を行い、その成果をもとに『荒涼館』に関する論文執筆を行った。 夏は英国へ渡り、大英図書館で『大いなる遺産』の研究に必要な資料収集を行った。本年度の後半は、そのとき収集した資料や他の一次文献と二次文献の分析をし、それらの分析結果をもとに『大いなる遺産』の再解釈を行った。 主な結果としては以下のことが分かった。1つ目は、『大いなる遺産』の登場人物ジョーは、「道徳性」と同時に「時間」についての真実を語る賢い道化であること。2つ目は、彼の語るこれらの真実は、主人公ピップの「男性らしさ」と関係があるであろうこと。 後者の問題については、現在も継続して考察中である。今後は、それについてより具体的で明確な結論を出し、平成30年度の前半には『大いなる遺産』の論文を書き終える予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
『大いなる遺産』の研究成果を発表するのに必要な作品分析に、予定していた以上の時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の前半には『大いなる遺産』の成果発表を行う。その後にディケンズの他の後期小説、特に『ハード・タイムズ』と『二都物語』の分析・考察と成果発表を行う予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の繰越金をほとんど使うことがなかったため。
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