研究課題/領域番号 |
16K16788
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 敬和学園大学 |
研究代表者 |
荒木 陽子 敬和学園大学, 人文学部, 准教授 (90511543)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | カナダ文学 / アトランティック・カナダ / 産業空洞化 / 環境 |
研究成果の概要 |
研究期間に行った国内外の研究発表やシンポジウム企画・講演、海外研究者・作家等(トニー・トレンブレー、アレクサンダー・マクラウド)の招聘イベントを通して、これまで日本に紹介されてこなかった産業空洞化以後の現代アトランティック・カナダ像を日本の研究者、および筆者の勤務校のある新潟県新発田市周辺の学生および住民に紹介し、当地を含む日本の周縁部でも重なる状況も多い、同地域への関心を高めることができた。研究全体の成果に関しては、エコクリティシズム研究学会よりサポートを得て現在単著書『カナダ沿海諸州の文学風景の変容――二つの世紀末と水辺、田園の向こう側へ』(仮題、英宝社より出版予定)を編集作業中である。
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自由記述の分野 |
カナダ文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究学術的成果は、19世紀の田園イメージが支配的な日本におけるアトランティック・カナダの文学イメージを、産業化、産業空洞化を経て、失楽園化した21世紀の同地域の文学イメージをもってアップデートしたことにある。また、カナダにおいては著名なデイヴィッド・アダムズ・リチャーズや、ジョナサン・キャンベルといったアトランティック・カナダと産業、そして環境の問題に取り組む作家たちを日本の研究者や読者に初めて紹介したことでも意味深い。社会的意義としては知的刺激に乏しい阿賀北地域に外国人研究者や作家を呼び公開イベントを行うことで、国境を越え地域住民と「地方の衰退」という問題を共有できたことがあげられる。
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