研究課題
若手研究(B)
本研究は、第一次世界大戦直後にイギリス・フランスに駐留していたアメリカ遠征軍の若き兵士に対して、わずか5カ月間だけ提供されていた英仏短期留学制度の文学史的意義を解明すること目指したものである。調査の結果、留学を経験したアメリカ兵が、異国での教育体験を、戦後アメリカ社会で多様に活かしていたことを明らかにすることができた。最終的に、従来の合衆国文学史で空白となっていた1919年2月から6月までの5カ月間を、戦間期文学の形成にとって意義ある期間として記述できるようになったことが本研究の成果である。
アメリカ文学・文化
1919年2月から6月まで実施されていたアメリカ遠征軍英仏短期留学制度を、戦間期アメリカ文学の制度的起源として、多角的に定位できたことが、本研究の学術的意義である。また本研究は、海外留学体験が文化・思想の形成に及ぼす諸影響も、文学研究の立場から明らかにすることができた。留学を通じたグローバル人材の育成と活用が模索されている今日的な要請にも応える点で、本研究は社会的意義も持ち合わせている。