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2018 年度 実績報告書

クィアとエコロジーの交錯と北米のマイノリティ女性作家たち

研究課題

研究課題/領域番号 16K16797
研究機関松江工業高等専門学校

研究代表者

早水 英美 (岸野英美)  松江工業高等専門学校, 人文科学科, 准教授 (90512252)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードジェンダー / Audre Lorde / レズビアン / レズビアニズム / LGBT(Q) / Rita Wong
研究実績の概要

本研究は北米のエスニック・マイノリティ女性作家の作品に見出されるエコロジーとセクシュアリティの関係性を明らかにすることを目的とする。最終年度の成果は以下の通りである。
(1)計画書通り、台湾の環境文学研究者Chou氏をSES-J年次大会に招聘し、本研究課題に関するシンポジウム“Feminism, Queer Ecology, and Ecocriticism: Cultural Perspectives and Cross-Fertilizations”を実施した。ブラジルの環境文学研究者ボラ氏、本学会会員の加藤ダニエラ氏、代表者もこれに参加し、ジェンダーやセクシュアリティ等に関するエコクリティシズムを通してトランスナショナルあるいはトランスパシフィックな作品の読みの可能性を探った。代表者は日系カナダ人作家Hiromi Gotoの長編小説The Kapaa Childに描かれるカッパと語り手のレズビアン的な関係性に着目し、超自然的な存在としてのカッパが性や人間、人間ならざるもの、水を中心とした自然、宇宙をも繋ぐ象徴として描かれていることを報告した。これを論文化したものがEcocriticism Review No.12に、さらに修正したものが共著『トランスパシフィック エコクリティシズム』に近日掲載される。
(2)Gotoの作品考察に加え、癌で亡くなったアフリカ系アメリカ人作家Audre Lordeの自伝的作品と中国系カナダ人作家Rita Wongの詩集を解読し、作家の人種的・性的アイデンティティの描出と、生命技術や資本主義をめぐる倫理的な問いについて考察した。この一部を纏めたものをアルバカーキで開催されたSWPACA年次大会で報告した。SWPACAでの発表後、ニューヨークを訪れ、Lordeが生前住んでいた家やLGBT(Q) Community Centerにて関係者から有意義な意見聴取を行った。その後シカゴへ赴き、Gerber/Hart Library and Archivesで資料収集を、Center on HalstedにてLGBT(Q)の活動家と交流した。この現地調査によって本研究に関する多くの知見を得ることができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] Academia Sinica, Taiwan(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      Academia Sinica, Taiwan
  • [国際共同研究] Federal University of Paraiba, Brazil(ブラジル)

    • 国名
      ブラジル
    • 外国機関名
      Federal University of Paraiba, Brazil
  • [雑誌論文] エコロジー、カルチャー、セクシュアリティ――Hiromi GotoのThe Kappa Child2019

    • 著者名/発表者名
      岸野英美(早水英美)
    • 雑誌名

      エコクリティシズム・レヴュー

      巻: 12 ページ: 38-49

  • [学会発表] An Ecological Rereading of Ethnic Minority and Queer Writers2019

    • 著者名/発表者名
      Hidemi Kishino (Hayamizu)
    • 学会等名
      The 40th Annual Southwest Popular/American Culture Association (SWPACA) Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] International Symposium: "Feminism, Queer Ecology, and Ecocriticism: Cultural Perspectives and Cross-Fertilizations"2018

    • 著者名/発表者名
      Daniela Kato, Zelia Bora, Serena Chou, Hidemi Kishino (Hayamizu)
    • 学会等名
      The Society for Ecocriticism Studies in Japan (SES-J), 31st Annual Conference
    • 国際学会
  • [図書] トランスパシフィック エコクリティシズムーー物語る海、響き合う言葉2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤詔子、松岡信哉、松永京子、一谷智子、岸野英美ほか
    • 総ページ数
      420(印刷中)
    • 出版者
      彩流社
  • [学会・シンポジウム開催] SES-J International Symposium: "Feminism, Queer Ecology, and Ecocriticism: Cultural Perspectives and Cross-Fertilizations"2018

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公開日: 2019-12-27  

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