研究課題/領域番号 |
16K16806
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
奥 彩子 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (90513169)
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研究期間 (年度) |
2017-02-07 – 2021-03-31
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キーワード | ユーゴスラヴィア / ボスニア / バルカン / オリエンタリズム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、口承文芸から記述文学への移行という普遍的問題を考察するための手がかりとして、旧ユーゴスラヴィア唯一のノーベル賞作家アンドリッチの作品と、その背景にある南スラヴ口承文芸との連関を考察すること、また、そうした口承文学が、アンドリッチ作品を経由して、現代文化にどのように表出しているかを探ることにある。 アンドリッチの文学世界はボスニアと深く結びついており、アンドリッチが取り入れた口承文学は主としてボスニアのものである。そこで、二年目にあたる2018年度は、ボスニアにおけるアンドリッチ研究の流れを追った。現在、アンドリッチはボスニア文学史において注記が必要な作家として扱われているが、それがどのような意味を持つのかを六十年代の移民雑誌に遡って検証し、九十年代、そして二一世紀にどのような問題を投げかけているかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンドリッチの文学世界の基盤について検証し、成果を出すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
口承文学と現代文化という二つの側面からの研究を続け、その接合点としてのアンドリッチの意義についての考察を深める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は国外調査の日数を短期間しか確保できず、旅費の支出が当初計画より少なくなった。平成31年度も国外調査に長く出ることは難しそうだが、研究活動を円滑にすすめるためにインターネットを利用して書籍を購入する等の工夫をする予定である。
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