研究課題/領域番号 |
16K16808
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
鈴木 隆美 福岡大学, 人文学部, 准教授 (20631948)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | プルースト / バレス / エゴチズム / イデアリスム / 真理 / 魂 / 主体 |
研究成果の概要 |
従来あまり問題とされていなかった、19世紀末から20世紀初頭における、フランス文学におけるエゴチズムの展開に焦点をあて、特にバレスとプルーストの作品群を比較検討した。その際、当時のドイツ観念論がいかにフランスの知的言説に影響を与えていたのかを調査し、その上で、両作家にあっていかに真理、主体、魂といった概念が作品に結実していくのかを見た。特に宗教建築や音楽、さらには舞踏の表象について、ドイツ観念論にインスピレーションを受けつつ、作品化されていくエゴの問題について分析した。
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自由記述の分野 |
フランス文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
19世紀から20世紀のフランス文学にあって、多かれ少なかれ問題となったエゴの表象について、バレスとプルーストを例に挙げて、その展開の一端を明らかにすることができた。本研究では、日本語文化圏では馴染みの薄い、西洋近代の絶対性、主体、自我、真理などの問題系を、具体的な文学作品の読解を通じて分析を行った。そのような作業を通じて、外国文化の理解というより広い視点から見ると、日本文化にあっては常に誤解や曲解がつきまとうイデアリスムを、より深く正確に理解するための一つの手かがりを示す作業となった。
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