中国語は同一要素の繰り返しを多用する言語である。従来、文法研究の対象としては「重畳形式」と呼ばれる形態変化ばかりが注目を浴びてきたが、それと類似の形式的・意味的特徴を持つ重複表現については、十分な関心が注がれてこなかった。本研究では、そうした問題意識のもと、いくつかの重複表現についてケーススタディをおこない、意味や機能を詳しく記述するとともに、それらの構造の中で重複という手法が用いられる原因を考察した。また、これらの表現と重畳形式が意味や機能の面でどのように関連しているかについても分析をおこなった。
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