研究課題
昨年度の下平川小学校区に続き、沖永良部島の地域言語コミュニティと協働して、国頭小学校区で「しまむにプロジェクト」を実施、3家族が夏休みの自由研究として家庭内での地域言語促進コンテンツ制作に取り組んだ。彼ら(小学生から高校生の8名を含む4組16名)を国語研に招待し、ワークショップで地域言語継承活動を参加者63名と共有した。共同研究者(横山晶子氏、山本史氏)とともに、わかりやすい一般向け文法解説付きの沖永良部語絵本『シマノトペ』を制作。島内外の家庭内読み聞かせや、島内教育機関などで利用が始まった。また2016年度より毎年継続している写真冊子『与那国の人とことば』の2018年度版を制作、2019年度版の撮影とインタビューも行った。沖永良部島と与那国島で、言語の継承保存をテーマにした講演や動詞活用習得の講習会を行った。特に、沖永良部島では島唄・島ムニ大会の基調講演として沖永良部語で30分間の講演を、スライドで原文と日本語訳を提示しながら行い、広い世代に向けて言語継承活動の普及を行った。
1: 当初の計画以上に進展している
本研究課題3年目となる今年度は、フィールドワークを行っている地域言語コミュニティおよび社会一般に対しての発信を、当初の計画以上に行うことができた。NHK Eテレ「ハートネットTV」と琉球朝日放送「Qプラスレポート」で本プロジェクトの取り組みが放映されたほか、地方新聞での取材記事4件、東京、沖永良部島、与那国島での一般向け講演・講習会6件、東洋文庫での与那国語講座(90分6コマ集中講座)を行った。地域言語コミュニティと協働して行う言語の継承活動も、これらと相乗効果を得て順調に進んでいる。
与那国島、竹富島、多良間島、沖永良部島、それぞれの地域言語コミュニティと協働して制作している地域言語絵本を共同研究者とともに出版し、これらを利用した言語継承活動を継続して行う。本プロジェクトの総括報告は、International Year of Indigenous Languages: Perspectives Conference(米国パデュー大学フォートウェイン)で地域言語コミュニティメンバーとともに発表するほか、プロジェクト報告書としてまとめて発表する。プロジェクトウェブページでのウェブコンテンツ制作も継続して行う。
パーマネントポジションに着いた初年度であり、業務のエフォート率が高くなってしまったため研究のエフォート率が低くなってしまった。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 5件、 招待講演 12件) 図書 (3件) 備考 (3件)
plrminato.wix.con/webminato
https://ja-jp.facebook.com/konotobanominato/
kotobaken.jp